朝会はじめたきっかけ
私たちの会社では、毎朝9時から「朝会(あさかい)」というのをやります。
なんで、”チョウレイじゃなく朝会(あさかい)?” きっかけは、数年前に、とっても美味しいリゾットを会社の近くのイタリアンでいただいていたときでした。
エスプレッソ淹れながら日本の良いとこ悪いとこぶつぶつ言ってたローマ出身のオーナーが言った一言でした。
「日本には公園はあるけど、広場はないよね。」というヒトコト。
そうだね、確かに日本には広場は少ない。
では、会社の中に広場を作ろう!と思って「朝会(あさかい)」としました。
そして、朝会(あさかい)を次のように定義しました。
朝会(あさかい)の目的:
1.元気な*Companyの顔を様子をお互いに確認し合うこと。
2.お互いの教養を高め合うこと。
3.一日、一週間、一ヶ月の予定を確認し合うこと。
朝会(あさかい)の原則:
朝会(あさかい)は全ての業務に優先し開始されます。電話が鳴ったりしてやむを得ず外さなければならない場合などはその限りではありません、臨機応変でお願いします。だけど、朝みんなが揃う一瞬です、やはり気持ちは最優先でお願いします。
全社員参加を大前提とします。
その日のAL(Asakai Leader)の元に午前9時より開始とします。
朝会(あさかい)終了時間はアジャイル的思考(当社CTOによると約15分らしい)を基本としながら、朝会(あさかい)の目的に従い、当番となった各ALが各人の判断により決定していくこととします。
遅刻等で定刻通り参加できない者、遅れる者がいた場合には最大限、彼、彼女を待ち全員参加の原則を満たすようにしてください。
病気、体調不良、出張等で参加できない者は、携帯等の別の手段を使い朝会(あさかい)参加に対して最大限努力するようにしてください。
出張などで出社できない人は、宿泊先ホテルなどから、移動中の電車、車など交通機関利用中は自分自身の安全、情報のセキュリティに配慮しながら朝会(あさかい)に参加してください。
AL(Asakai Leader)の任命:
社長によるダイレクトな任命とします。
ALの任期:
適時判断することとします。
ALの報酬:
無手当とします。
ALの任務:
朝会(あさかい)の原則にのっとり朝会(あさかい)の目的を遂行してください。
*Companyの語源はラテン語かららしい。共に、一緒にという意味の”com”、パンという意味の”panis”を合わせたことば。日本語でご飯と言った場合、それが単に米からできたものをさすだけでなく食事全般を指すように、パンにも食事そのものを象徴した意味がある。つまり、カンパニーという言葉には一緒にご飯を食べる、つまりつまり一緒に働き、その働いた成果を分け合うという共同体を指す意味があると思われます。運命共同体的になると重たいけれど、あ、あの人ご飯ちゃんと食べてるかな、僕の分少しどうぞなんて気持ちに溢れている空間って良いよね。
*朝礼の意味はそれぞれでお調べください。どうして私たちの会社では朝礼と呼ばないかお分かりいただけると思います。
*公園と広場の違いはお調べになってもあまり突っ込んだものは出てこないようです。せいぜいParkとSquareぐらいでしょう。
昨日のアサカイのことだった。私がALを務めていた。
えー、社長がALやるって、言ってることとやってることがちゃうやん、あんたがやったら朝礼になってまうやんという声が聞こえてきそうですが、事情があってやっているのです、ご理解を。
そして、その通りでして、ここに書いているALの定義と昨日自分がまわしたその手際がまずかったので反省の意味を込めて投稿しておきます。
まずかったその1.その場にいない当事者のことを話してしまっていたことです。
これは別にアサカイに限らず普通に人としてやってはいけないことですね。その場にいない人の良し悪しは論じるべきではないのに、制御できなかった。私も含めて反省です。
まずかったその2.そしてそれが人事に関することであったこと。“人事は会社の専権事項である。“という前提事項です。これは人としてよりも社会人としての常識なので、これも逸脱してはいけないと思いますが起きてしまった。意見を持つのは当然良いわけです。ですがアサカイという公共の場ではまずいです。
それをALとして制御できなかった私も含めて反省です。
ということですが、何よりもアサカイは公共の場であると定義しているわけです。アサカイはいわゆるソーシャル空間です。上記二つのことは会話として展開してはいけないのに自分自身がそれに火を点けるようなことをしてしまった。大いに反省です。
そして、つくづく思うのです。この定義自体は間違っておらずいいことだと。みんなが会社や組織内で仕事をしているとき、チームや個別で仕事している時でもここは公共空間、ソーシャル空間なんだって思えば、いわゆるハラスメント行為などは起こりようがないと思うわけです。WEB上のソーシャール空間は匿名だったりしますけど、リアルでは実名だし素顔を見せているわけですからね。そこで自分も含めて皆さんが公共の道徳を守りながら自分の意見をまっすぐに主張し合えばこんな素敵な広場空間はないだろうと思うのです。
今、私たちはリモートワークの一歩上をいくコーラルワークに挑戦中です。この公共の意識はなお一層高めていかなきゃって思います。
2022/07/21追記
今、アサカイリーダーを努めてくれている方の一人から、このアサカイの定義にある一文に対して質問がありました。
”朝会(あさかい)終了時間はアジャイル的思考(当社CTOによると約15分らしい)を基本としながら、朝会(あさかい)の目的に従い、当番となった各ALが各人の判断により決定していくこととします。”
この15分というのは基本と書かれているので、自分はてっきり15分で終わらなければならないのかと思っていたが、ここ1,2週間のアサカイは30分近くやっているので、問題ではないかとのことでした。
それに対する私の答えは次のとおりです。
確かに、ここのところ30分近くっていうのが多いね、しかしそれは毎朝取り上げてくれている日経の記事が議論を呼ぶものであったり、ちょうど通訳の方に入ってもらったりしてたからだろうね。
ダラダラとした時間ではなく、充実した30分だったと思いますよ。
それに、新聞記事を取り上げるだけで時間はあっという間に経っちゃうし、その前に各人からの連絡事項が多かったりするとなおさらだよね。でもね、僕は毎朝日経に目を通すことも、それを日本語が十分でない人に英訳してあげることも、会社にとってはとても大切なことだと考えています。フィロソフィーとして掲げている「文化を愛し、教養を育む」ためには大切なことだと思っています。30分でも足りないなと思っているところですが、これもどこまでいっても割合であり配分の問題だよね。確かにアサカイ自体は新聞を読むことも通訳を施すことも何も利益は産まないでしょう。でも、会社って利益を生むだけの存在だとは僕は思いませんよ。
今はやり始めだから試行錯誤で時間配分もうまくいかないかもしれないけれど、そこはそれこそ皆さんで経験を積んで勉強していきましょう。
そして、答えとしてはね、”当番となった各ALが各人の判断により決定していくこととします。”と定義しているように、それは君が決めていけば良いんだよ。アサカイのその場では君がオールマイティな力を持っている。君がその場で判断していけば良いんだよ。その判断力をつけてもらうために君を任命しているのだからね。
2022/09/02追記
再び今日もアサカイの時間のことで揉めました。
今日のアサカイは目前に迫った沖縄GMや採用の進め方に関してのGA(General Affairs)からの話しなどで40分近くになり、それから日経新聞の記事ピックがあったので45分くらいになったでしょうか。本当は私も一つその新聞のことで皆さんにお話ししたいことがあったのですが、ちょっと時間が過ぎてるなと思ったのでそれは今回は控えました。
しかし、その直後アサカイの時間が相変わらず長すぎる、ここのところ長すぎるという意見が出てきたので少しそれから紛糾しました。アサカイは30分以内にすべきだという意見でした。
正直なところ、私は長いとは思っていてもだからと言って時間を固定化するのは違うと思っています。
日によっては、その内容によっては1時間でも半日でもやればいいし、やるべきだと思っています。逆に業務の詰まり方によっては5分で切り上げるのもありです。アサカイ無しもありです。
全てはそのアサカイの内容や状況によるのであって、時間を予(あらかじ)め決めるのは違うだろうと思っています。
と、この議論をアサカイでやってしまうとアサカイそのものが長くなってしまうので、後は社内連絡網でやろうって話しになりました。私としてはこれはとことんこのまま議論したかったのですが、さすがに1時間を超えることは憚(はばか)られるということで一旦は終えました。
その後、多くのメンバーが意見を述べてくれましたが、一番目に付いたのはバランスということばでした。アサカイの時間と全体の業務とのバランスということでしょう。それを聞いたときに私がいつも思うのはそれはそうなんだけど、です。
バランスに決まってるんです。だからそれを言っても問題解決にはならないんです。
そう思っていたときに、あるメンバーがDLC(Daily Log&Comment)にこの問題の決定的解決になる意見を投稿してくれたので、原文そのままに紹介したいと思います。
” 何事もバランスが大事。
「長いな~」と思うことは多々あるけど、
視点を変えるとアサカイを「長い」なんて口が裂けても言えないな、と思う。
でも思い出してほしい。
初代ALのミヤちゃん、ポリティ、ジェルミナは覚えてるだろう(と思う)けど、
「アサカイは、全てにおいて絶対的権限はALにある」ということを・・・!
社長であろうが役員であろうがワカチコであろうが誰であろうが、
ALが「はいそこまで~~~」と言ったら絶対に聞かねばならぬ。
ALが「今日は20分で終わらせます」と言ったら、絶対に協力せねばならぬ。
ALが「この話めっちゃ聞きたい」と思ったら、12時まで伸びるかもしれぬ。”
そうなんです、これ10年近く前の当初の文言にあるのです。目立たないのでさっきボールドに変えましたが、「当番となった各ALが各人の判断により決定していくこと」としているし、その後にも「アサカイのその場では君がオールマイティな力を持っている。君がその場で判断していけば良いんだよ。その判断力をつけてもらうために君を任命しているのだからね。」
と言ってます。
もしもこれでこれを自分で破ったら、どこぞの国の大統領みたいに自分で憲法作って自分で破ったことになります。そんな格好悪いことしたら誰もついて来なくなるでしょう。
会社はそうは言っても別に会社の従業員に相談しないでも勝手に決め事を変えていくことは可能です、というかそういうことを従業員に相談する会社などはそんなにないと思います。そんなことをみんなから意見聞く経営者ってなんか弱そうですしね。
ただ、私は思いとしてそうありたいと思っています。
内容によってはもしかすると相談しないで変えるかもしれません。しかし、変えたのであればその理由は説明します。会社がその理由も説明しなくなったらその時はこの会社がおかしくなった時です。
2022/06/15追記
今日のアサカイは昨日に続いて2時間ちかくやってました、テーマのほとんどは日経新聞を読むことについてです。なぜこれがこんなに何度も何度も問題として上がってくるんだろうなぁと思って聞いてましたが、そこにはどうも認識の違いがあるようで僕としては反省です。
つまり、僕としては毎朝新聞を読むのは、朝、顔を洗って歯を磨いてコーヒー飲むのと同じだろうとゆう認識です。認識するまでもない習慣です。
もちろんこれが万人の習慣だとは思ってません。
それに新聞社の方には失礼だけどメディアとしてはもう過去の遺物化している側面もあると思います。経済的にはとてもコスパの悪いメディアです。
だけどそうであっても新聞を読むことは良い習慣だと思ってます。社会人として当たり前の習慣だと思ってます。
概(おおむ)ね、新聞はネットニュースのように偏りがなく満遍なく今起きている社会事象に目を通すことができます。ネットニュースのように誤字誤植が少なく、記事のニュースソースへの懸念も低いので個人的にはそこにストレスを持たなくて良いのは助かります。
しかも、これが最大だと思ってますが、その同じメディアにメンバー全員が共通に目を通していることの価値は測り知れないのではと思っています。
購読に要する時間については、これはたまたまですけど、私たちは完全テレワークとなり通勤がなくなりました。どんなに通勤時間が短かかった人でも9時の出社であれば8時半には家を出てたのではないかと思います。都心だともっとでしょう。それがなくなったわけですから、 毎朝、新聞を読むことはそんなに負担ではないだろうと思ってました。これがお金も自分で出せだったら別ですけど私たちの会社では日経のアカウントは会社が購入しメンバーの皆さんに持ってもらってます。そして読む読まないは自由です。
ただしALになったらその日の朝刊の記事ピックしてね、そしてそれをみんなで話しましょうと話してました。個人個人で読解力に差はあり、習慣のあるなしで最初はしんどくても時間はあるわけだから、そんなに苦痛でもないだろうと思ってました。
もちろんいくら通勤がなくなったとは言え家庭があってお子さんがいるところは大変ですよ、しかもお母ちゃんだったらなおさら。そういった考慮、配慮はしているつもりです。
でも例えば独身の方だったら そんなに朝忙しいこともないだろと思っていました。
この認識が甘かったですね。
人によっては負担となってしまうことがあるようでした。
ALとして進行させていくということも苦手な人には負担のようでした。
ただ、この負担は承知していたつもりです。最初はそうであっても徐々に慣れていってくれるのではないか、そして新聞を読むことの意味や楽しさを分かってもらえるのではないかと思っていましたが、認識が甘かったです。人によっては負担となりその負担を負ってまでやっているのでそれは業務ではないか、早朝出社ではないかとゆう意見が出てきました。
お節介が過ぎたんですね。
良かれと思ってやっていたことがそうでもありませんでした。
ただ、このお節介の感覚自体は自分にもあったので、前回の追記にもあるようにその日のアサカイを回すことについてはALがオールマイティを持っていると宣言しています。
ですから、極端に言うと新聞ピック飛ばして5分で終わっても良いわけです。
これをお節介の担保として宣言しておいたのですが、これも機能していなかったようです。
社長の発言は大きい、半ば強制力を持つと言われるとどうしようもありませんね。
さて、どうしていきましょうか。
一つの解決方法としては、ALには手当を出し業務としてやってもらう。
指名制ではなく、候補者制として新聞を読むのが習慣化している人にやってもらう。
この二つだと思いますが、いずれも気が進みません。
先ず、私自身が新聞を読むなんてのは社会人としての常識でしょ、習慣でしょと捉えていてそのことに対価を支払ってしまうと業務化してしまい自発でなくなってしまうからです。自発が強いですよね、言われてやっていることはその人の成長にも力にもならないと思うんです。
候補者制は別の問題を生むというかこれも目的とずれてきます。そもそもがこれは習慣となっていない人に習慣化してほしいと願っているのと、会社全体で同じメディアにアクセスすることに価値があるとおもっているからです。候補者制にすれば進行はスムーズでしょうけど会社全体ではバラバラになるように思います。
さて、答えはありませんが、この記事は私たちの会社へ興味がおありであったり、入社を希望されている方向けに投稿しているので、今会社で起きていることをありのままに綴らせていただきました。
2024/02/16追記
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コメント一覧 (2件)
この定義は東京支店、京都本社に出社しリアルにあさかいをやっていたころのことなので、現在のような社員全員リモートワークの状況では多少内容は変わっています。先ず、遅刻ってのがなくなりましたね、当然か。
先週末、私たちの会社の新人の方と僕入れて3人でお互いに色々思うところをセッションしました。長かったー4時間。その時、この広場の話をしたら一人の方がえらい肯いてくれました。ハラオチしたハラオチしたってね。なんでも「笑い袋」と呼ばれている方です。ツボにはまると笑いが止まらないからだそうです。今回もそんなツボにはまったのでしょう。僕としては嬉しい限りです。
だってね、これ、学生の頃から思ってたことだもんね。ロンドン市内に住んでました。この広場と言われるところ、つまりスピーカーズコーナーがあることで有名なハイドパークにはチャリで直ぐのところに住んでました。
日曜日になると、誰が何を喋っているのかも分からないけど、ぼーっとそれを聞いてました。
思いがあり、その思いを伝えることができる場がある。
そんな場で自分も話したいし、作ってみたいって思い始めたのはいつからなんだろう。