ボールペン貸していただけませんか

 

朝のの5時から磯々と、いや、いそいそとサーフィンに出かけていった当社のサーファー野郎からの一枚。
そして、今夕は社員の半分がサーフィンに挑戦。果たしてサーフィン生まれて初めてという彼らの何人がテイクオフできるか。
みんな、奄美の鷹になれ!

社員旅行に来ています。

行きも帰りもLCCです。奄美大島は、このLCCが羽田や関空から就航するようになって、随分と観光客が増えたとのことでした。

どうして、奄美大島なのか、どうしてなのかは先にお話した通りなんですが、そのLCCに搭乗していて考えさせられることがありました。

東京支店は羽田から、京都本社は関空からというスケジュールで、僕は関空から午前の便でした。搭乗率は9割ぐらいだったでしょうか。エアバスA320。3列、3列のシートです。180人定員で160人強の客がいたのでしょうか。そこにCAは3名でした。

僕はずっと本を読んでたのですが、水平飛行に移ったので、通りがかったCAの方にボールペンを貸してもらえないでしょうかとお尋ねしました。本に線を引きたかったのです。
実は、ペンは、機内持ち込みで荷物室に上げていたリュックの中にあるのだけど、取るのが面倒だったのと、CAさんがどんな反応をするのか、話してみたかったというのもありました。

返ってきた答えは、”ボールペンは100円で販売しております。”という反応でした。これは前も別のLCCで経験しました。しかし、同じLCCでもさっと胸元に挿したペンを貸してくれるところがあります。

様々です。

どちらが良くて、どちらが悪いということもないでしょう。徹底的にコストを下げて、その結果として航空料金を下げているLCCであれば仕方がないと言えるし、そういった細かいことまで徹底することでCAの方々、引いては会社全体のコスト意識を高めるという狙いもあるかと思います。

だけど、なんだかセコイ。セコイ感がつきまとうし、ボールペンの販売が収益に結びつくともあまり思えないのです。
販売するのであればそれをわざわざ用意しておかなければならないけれど、そんなにボールペンを買う人がいるとも思えない。その結果、コストは逆に上がってしまうのではないかと思います。

逆に、ボールペンのやりとりから、も生まれるだろうし、ファンが増えるかもしれない。また、その会話がCAを育てることにも繋がるかもしれない。

そうすると、会社はボールペンを100円で販売するよりも、より多くの将来的な利益が得られるし、大切な社員の教育にも一役買ったかもしれない。

CAの方々、客室乗務員、接客業であるはずなのに、ほとんど笑顔はなく、かと言って、航空機に乗っているという真剣さもなく、が終わったら後ろの定位置でCA同士お喋りでした。

他愛のないことですが、100円のボールペン。目の前のコストは下がっても、長い目で見た社員教育、社会への貢献という意味で、それはよほど高くつくのではないかと思わせられる行きのLCCでした。

帰りはどうかな?

でも、奄美は良いぞ。

 

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Comment

コメント一覧 (4件)

  • ボールペンを貸すという行為がその会社のホスピタリティだと思うのですが販売となると違いますよね。次回はホスピタリティ溢れる飛行機に乗られることを祈ります!

  • AI登場時に「個室アリ居酒屋でひたすらうまい具合に頷いて追加注文を促すAIがあればいいなぁ」などと思っていた事に通じると思って拝見しておりました。そのLCCでのCA業務は、乗客との応対まで作業で十分と考えているようでしたので、うまい具合に頷くAIが人一人の採用+教育コストを下回れば、それにとって代わられてしまう、と。

  • 「顧客はわがままであり、要求はますます高くなる」接客に従事する者として、こういう認識はスタッフ全員が持っているように感じます。あるスタッフがボールペンを貸し、次のスタッフは貸さなかった場合「前はしてくれたのに」とクレームに発展する恐れがある。
    これらをリスクと捉え、ボールペンを貸さないとマニュアル化する会社の判断は正しいのでしょう。が、従業員ではなく人としては、さみしい社会だなあと思ってしまいます。

  • うめぼしさんへ。
    酸っぱめのコメントありがとうございます。

    > 次のスタッフは貸さなかった場合「前はしてくれたのに」とクレームに発展する恐れが…。

    確かにそうですね、あり得ることだと思います。

    だけど、もしもそういったことが続いたとしたら、客はボールペンを欲しているという
    ことですから、それをサービスにしてしまったらどうなんでしょうか。
    そうすると、あのエアラインはボールペンを気持ちよく貸してくれるという良い評判が
    得られないでしょうか。

    よく、顧客志向的マーケティングの場面では、”客のクレームは宝の山”ということが
    言われるかと思います。

    クレームや要望は、その正面に立たされた人間からすると、忌み嫌うべき対象ではありま
    すが、マーケティング部門から見ると、通常ならわざわざ企業の側から収集しなくてはな
    らない「顧客の生の声」をその場で得ることができるわけですから、これほどありが
    たいものはないですね。

    ボールペンを胸のポケットからすっと出して客の手元に渡すという、ホンのわずかな
    コストで得られるものはとても大きいように思います。

    企業がすべきは、一つ一つのクレームを怖れることよりも、そのクレーマーの正面に立
    たされるかもしれないスタッフへのサポート、マーケティングの重要性の社内共有、
    そして、そもそも企業として顧客をどう考えているかとういう理念を会社全体で一致さ
    せることではないかと思いますが、いかがでしょうか。

    株式会社Dai 代表取締役 木脇和政

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