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暑さ寒さも今日まで

北嵯峨彼岸花
ここ北嵯峨の田園地帯は彼岸花で有名なようです。この連休中は観光客がこの花を愛でている様子によく出会いました。
実際、田畑には今の季節彼岸花がその朱色を競っています。
なぜなんだろうと考えたりするんですけど、一つにはここが西方浄土への入り口だったからではないかとか思います。遠い平安の昔、この嵯峨野は低湿地帯だったこともあり、あまり開発されることはなく人家もまばらだったといいます。その上、中心部からは遠く離れていて西の彼方にあったので、鳥葬が営まれていたなどといった記述もあります。つまり死んだ人が行く土地であったわけですね。そういったこともあって彼岸花が植えられたのかどうか分かりませんが、そういった歴史を考えるとなんとも彼岸花と西方浄土の光ともいうべき夕陽が似合う土地なのです。

暑さ寒さも彼岸までのお彼岸の中日が今日です。
そう、今日は彼岸の中日。お彼岸ですね。
この彼岸ということはどれだけの人が意味がわかってるんだろうか。

**君、この”お彼岸”って読める?

ってアサカイでやるのはちょっと恐い気もします。もしも読めなかったらと思うと。

さて、お彼岸の意味や読み方はわかってると思うんだけど、この彼岸(ヒガン)って何?
ってなるとなかなか理解されてる方は少ないんじゃないかと思ったりします。
なんだか押し付けがましいんだけど全体を説明するために、お話しするために解説させていただくと彼岸というのは、川が流れていて、向こうに見える岸のことが彼岸(ヒガン)で、今私たちがいる方が此岸(シガン)こちらの岸ということになります。じゃー、なんでそんな川のことを持ってくるの?っていうとあらっぽく言えば仏教がそうだからです。今で言うとインドのガンジス川がそうです。仏教的に言うと今生きているのが此岸、死んだら行くところが彼岸。そして今日はその死んだら行くところ”彼岸”を考える日なのでお彼岸。その時に、僕ら衆生は何をするかというと六波羅蜜の修行です。

私の敬愛する経営者稲盛和夫氏の著書「稲盛和夫の哲学」PHP文庫の第11章は-人生の目的について-というタイトルです。その中でこの六波羅蜜について触れておられるところがあります。稲盛氏の人生の哲学は一貫して人間性を磨くというところにあります。ではその人間性を磨くために何を心がければ良いかについて書かれているのがこの章です、少し引用させていただきます。

”では、われわれは人間性を磨くために何を心がければ良いのでしょうか。重要なことですので、あえて繰り返しになりますが、第一に、人のために尽くしたい、世のために尽くしたいと思うように努める-「布施」をすることです。
第二に、自分を戒めてエゴを抑えていく「持戒」すること、第三に、諸行無常、波瀾万丈の人生に耐えていく「忍辱」することです。第四に、精一杯働く「精進」することです。これらのことを通じて人格を高めていくようにすることが肝要だと思いますこの「布施」「持戒」「忍辱「「精進」はお釈迦様が2500年前に説かれ、それが人間を作ることであり悟りへの道であると教えて下さっているのです。このことは、仏教を信じるかどうか別にして普通の人間が生きるための知恵としてぜひ取り入れるべきだと私は信じています。”

六波羅蜜ということなので、この後には続いて「禅定」(ぜんじょう)心を静かに保つこと、反省を忘れないこと、「智慧」(ちえ)真実を見る智慧、正しい判断力を身につけることと続きますが、稲盛氏は前の4つを修行すべき徳目として上げておられます。

破綻したJALを再生するよりずっと前、まだ現場の経営に携わっていらっしゃったころ頃、稲盛氏は仏門に入り得度されています。傍目には経営の集大成に入られたかのようでした。

これらはとても仏教的で六波羅密の実践など実際にはとても難しくわれわれ凡夫には為しがたいことでもあります。

しかし、このお彼岸にちなんだ言葉として、”苦しいことや悲しいことそして辛いことも、お彼岸まで”なんてのもあったりします。一時的な慰めのような感じだけど、実際、時間とともに、どんなに苦しかったことや悲しいことそして辛かったことも徐々に和らいでくるものですね。”アツサ サムサ モ ヒガンマデ”。”今は辛いけど前を向いて歩こう”ってことなんでなかなか味わいのある言葉だなぁって思ったりします