僕は、この女性と話をするとその素の美しさをいつも感じる。
エピソードを話しておこう。彼女が当社に採用面接に来られたときのことだ。
私たちの会社は子連れ面接大歓迎なのでそれを伝えたら2人のお子さん、まぁやんちゃなお子さんと一緒にやってこられた。まだ私たちがリアルに会社に出社し仕事をしていた頃の話だ。
子連れ面接歓迎なんだけど普通に面接にはなりません、いやこれが普通なんだけどいわゆる普通の面接にはなりません。じっと大人しくしている子どもなんていません、いたとしたら子どもじゃない。むしろ少し心配した方が良いのだ。
なのでそういった場合にはあらかじめお昼休みにおいでと伝えてみんなと飯を食う感じに持っていく。昼飯時であればお子さんがいてもいいだろうと、テイクアウトで牛丼とか天ぷらとか買ってきて社内で一緒に食事をした。
終わった時天ぷらが何種類か余った、みんなお腹いっぱいで食べれそうにない。そこでこの方に、君とこは小さな子どもがいてて晩飯つくるんも大変やろ、この天ぷら持って帰ったらご主人のために晩飯一品できるからええんちゃうのって言ったら、その瞬間いえいえと言いながら顔がほころんでた。素直だ。
いえいえと言っても顔はほころんでるやんかつったら、次に助かりますーと言いながら自分の容器に詰め込んでいた。なんとも素直な子だな、こういう方と一緒に仕事をしたいなぁと思った。
採用させていただきやはり素直なそのままに仕事してくれてた。やがて3人目を懐妊された。みんなで喜んだ。そのとき私たちは完全テレワークに入っていたので臨月間近まで仕事をしてくれていた。通勤や出社がないテレワークならではだと、ここは最大限強調しておきたいこの働き方のいいところだ。
出産したらすぐに復帰しますからという言葉を残して彼女は産休に入っていった、おいおい3人目だろうそんなに無理するなよと声をかけたが、逆に3人目ともなるとベテランの空気も漂っていて余裕も感じられた。
元気な男の子が誕生した。
しかし家庭の事情もあり、私たちの会社への復帰は難しくなった。そして僕のところに挨拶に来ると言ってくれたが、挨拶に来てくれるのは嬉しいけども、だったらみんなと話してくれよ、1日だけアサカイを外部に開放するからその時に入ってきてくれないかなと言った。
それがこの写真だ。
彼女が久しぶりにアサカイに参加してくれる、無機質な空気になりがちなウェブミーティングで何かできないか、気持ちやその時の感情を表すことが何かできないか考えた。
博多人形がその答え。
ご存じの方もおられると思うが、この人形は素焼きが特長であり、その焼き物の上に彩色を施していく。それが素朴で可憐な美しさを醸し出す。
素の女性、そんな彼女ににふさわしいかなと思い、今日のアサカイは棚に上げていた博多人形と一緒に参加させてもらった。
お**ちゃんありがとう。君と仕事ができて人生が豊かになりました。
Comment
コメント一覧 (2件)
素の女性、私もそうありたいとおもいます。
貴社のアサカイって素晴らしいですね
今晩は、林 ミツヨさん。
素晴らしいって言っていただいて最高です。
素であること、そのままであることってホントに難しいですね。
オギャーとこの世に生まれてきたときの心はどこにいってしまったのか。
学校行って、社会に出て、智恵を付ければつけるほど心は垢にまみれていくように思います。
素であるためには自分の心はどこにあるのか、先ずはそこから探し当てねばなりませんが、
それも垢にまみれてしまうと探し出すのは実に困難です。
このアサカイはそれこそ素の状態でやっているつもりですが、心を失ってしまうと本当にそれが素なのかどうかさえ怪しくなってきます。
そんな時には理性の登場です。
智恵は心の汚れともなりますが、そうであるだけに心のありかも教えてくれるのだと思いますから、やはり智恵を磨くことはやめてはいけませんね。
なんだか独り言のようになっていますが、これもまた心地良く、それも林さんの素のコメントのおかげです。
ありがとうございます。