ー 長文失礼いたしました。
このフレーズが、いただくメールの最後によく書かれています。
でもそのメールを見てみると一体どこが長文なんだろうと思わせられることがしばしばです。
実際には数行程度、しかもその中のほとんどが意味のない言葉、つまりお世話になっていますとか、 お忙しい中失礼いたしますとか、夜分失礼致しますとか郵便の手紙や固定電話の名残のようなことばが延々とつづいてる。こんなどうでもいいような言葉で占められていて、実質は3行程度の用件や意見しかないもの。
なのに最後に”長文失礼いたしました”と書かれています。たまにならいいですけどそういうメールとても多いです。
これは冗談か皮肉か何かとしか取れないんだけどもきっと日本人の性質として最後に謝りたいんでしょうね、謝って終わる。
夜分失礼いたしますとかも同じで、相手が見るのは翌日にきまっていて何の迷惑でもないのに、プッシュ型メディアの名残と知りながら使い続けている。
こっちは謝りながら始めるときの口上。
謝りながら始め、謝りながら終わる。それでも中身があれば良い。
私の感覚で言うと長文というのは、原稿用紙10枚ぐらいから、つまり4000文字から5000文字のメールで初めて長文と言えるかなと思います。これで中身が詰まっていれば、こんな夜中にこれだけの中身送ってくれて、感謝、感謝です。
こういったメールの形式には、日本人の謙遜の気持ちが含まれてるんでしょう。
一方で、そのメールというツールも次第に使われなくなっているということもその原因ではと思います。
在学中も卒業してからも彼らのコミュニケーションツールはメールではなく短文を主体としたメッセージアプリ、チャットアプリであり、友人同士メールでやりとりすることは滅多にないでしょう。
大学はセンター試験に代表されるマークシート方式だし、入学してからも論文はおろか小論文すら書かされず、卒論もなかったりするので大学卒業するまで原稿用紙10枚以上の文章を書かずに終わった学生が大半を占めるようになってます。
これは大学側にも問題があるにはあって、論文のような読む人によって評価が変わってしまうような試験を課すことができなかったという経営上の問題はあったのでしょう。だけど、もう今は大学全入時代を迎え、これからは明らかに淘汰の時代でしょう。大学自体が独自の良質な試験問題を作成しそれをきちんと判断できる体制が求められるのではないかと思います。
おっと、話題が逸れましたね。もとい、
普通に考えると、長文のメールをいただけるということはありがたいことです。
ほんとに失礼なのは長文で中身のないメール、これは読むのしんどい。自分の主張ばかりが込められているメール、これはさすがに長文失礼いたしましたと書いていただきたいと思います。でもそうでもないすばらしい考察や 自分なりの考えが込められたもの、あるいは私自身の行動に対してのアドバイスであったりするとそれはとてもありがたいわけですね。
長文は本当はありがたいんです。自分のためにこれだけの時間を費やしてくれたのかと感謝の気持ちで一杯になるのが長文メールだと思います。
福岡市博物館の二階に上がって左のコーナーに黒田家の展示物が広がっています。その中でも一際目をひくのが”ひのもといち”と呼ばれる写真の展示品。こんな黒田武士が愛したような長くて美しいメールはどれだけ長くとも決して失礼していないのです。
ここに書いていることは今のところ考え方としては真っ当だろうと思ってます。少なくとも自分の中では。
しかし、今世間はAIです。チャッピーくんです。その開発速度も浸透具合もそして社会への影響力も今までのテクノロジーとは桁違いです。
やがては、人々に代わって彼が文章は書くようになるでしょう。
今は人間がメールを書く時のその時のブレスト相手ぐらいですけど、今後は書き手の思想を書き手以上に理解し書き手以上の表現力で書き上げていくことでしょう。
そうなったとき、私がここに書いていることは完全に過去の遺物となるであろうことは承知してます。2023/10/3追記
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コメント一覧 (3件)
福岡にもあるサザエさん通りです。「サザエさん通り」というと東急電鉄 田園都市線「桜新町」の長谷川町子美術館を中心とした通りが有名だと思いますが、ここ福岡にもあるんですね。
なんでもこの近くに作者の長谷川町子は故郷の佐賀県から出てきて住んでいたそうです。
東京の桜新町は作家として活躍していた頃住んでいた街であり、ここ福岡の 土地は、彼女が幼い頃を過ごした街だと言うことになります。子供の頃過ごした街って人それぞれ思い出深いですよね。
この通りを歩いて行くとその先は福岡市博物館、そしてももち浜という海岸につながっていきます。
磯野家の家族はサザエ、カツオ、ワカメ、マスオ、イクラ、海に因んだ名前ばかり。 きっとこの頃の思い出をそのまま漫画に表現したんじゃないのかな。
せっかくここまで足を運んだのだからとちょっと足を西に延ばして西南学院大学内にあるドージャー記念館へ。地元ならではこの大学ならではの展示があった。
建物はお決まりヴォーリーズ、ミッション系の大学と言えばウィリアム・メレル・ヴォーリーズ。シンメトリックで宗教感漂わせながらの威厳あるデザイン、装飾もあふれさせながら重量感あるデザインを特徴としたジョージアン・コロニアル・スタイル。