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【平成三十年元日】20年間眠っていた良書

紅白

大晦日の前から風邪気味、悪寒と咳のために元旦まで寝込む始末。これではいけないと無理をして起き上がり、階段を降りたところで、再び咳き込み始めたら、腰に電気がピクッ、痛ッ。

やってもうた、やってもうた、ぎっくり腰です。ずっと寝ていて腰に負担が掛かっていたのでしょう、大きな咳で海老反りになった瞬間、腰に電気が走りました。まさに、魔女の一撃、witch's shotです。何度目かの経験なので、この電気の正体は察しがつきます。経験された方はお分かりのように、これが来ると、しばらくは動けない、微動だにできません。そして、立っても座っても、寝ていても痛みは去って行かない。

幸い今回は割と小さめの電気だったので、しばらくそこに這いつくばった後、ベッドに戻りましたが、何もできません。熱で悪寒と頭痛にふるえ、咳き込む度にその反動で腰が悲鳴を上げます。全くベッドから起き上がることもできなくなってしまった。元旦。

寝たまま、宙を睨みつけながら、それでもやることがないので、這いつくばって本棚までいき、時間もあるので右から左へと丹念に背表紙を眺めていると、こんな本あったっけなーというタイトル「下坐に生きる」上渡良平。開いてみるとサインがある。

あ、思い出した。

もう20年近く前になるのではないか。奈良に本社を構える社長さんからいただいたものだった。何のいきさつでもらったのか思い出せないが、サインを見て、その社長の何とも言えない笑顔が思い出された。

ページをめくると、一燈園の話からそれは始まっていた。一燈園とは京都の山科にある修養団体で、ダスキンの創業者である故鈴木清一氏がここで修行を積み、後にダスキンの経営の指針である、”祈りの経営”を生みだしたことで世の中には知られているかと思う。

読み進めていくと、ところどころ線が引いてあり、一度は読んでいたことは思い出されたが、それでも中身は思い出せない。20年って長い。

こんな素晴らしい本を読んでいたらどこかにしていても良さそうなものだが、それが全く思い出せず、しかし、面白いものだから咳き込みながらもグイグイ読んだ。

中でも、中村天風氏の教えが実に分かりやすい。氏の著書は人からの勧めもあり、「真人生の探究」「錬身抄」など代表的な著書は購入はしてみたが、あまりに難解なために、投げ出していた。教えとしてはシンプルだろうとは思っていたが、それに至るまでの語句、フレーズがどうにも我が理解を阻んでいた。

しかし、この神渡氏の解説はやはりプロの作家だからだろうか、とても良い、すっと入ってくる。

中村天風の教えの根本は、あらゆる行動やその行動の結果としての感情などに対して、とにかく積極的に入っていけ。なのだそうだ。

氏は、人が生きるのを「生きる」と「活きる」と使い分け、生物的な単に生きるのではなく、人として活きよと説く。

その上で、

「積極的な思考」「積極的な言葉」「積極的な行動」「積極的な感情」で活きていけば、大きな宇宙のエネルギーとつながっていくというもの。

どうも僕が書いてしまうと、似非精神論、似非宗教のように響いてしまうかもしれないが、そういう方は是非ご自分でこの本をとってみてほしい。僕の表現が下手くそなだけというのが分かる。

の山奥、ヒマラヤで修行してきた中村天風ならではかも知れないが、大宇宙は私たちを、活きて活きて活かそうとしている、それが宇宙の本質であり、あらゆる生命が活きることにひたむきになっている。

さすれば、人間こそ活きねばならないのではないか、目の前のあらゆることに積極的に対応していく、それが自然の摂理だろうというものだ。

これは、少し前に書いた「最善観」にも近いような考えか。突き詰めていくと、同じところに至るのかもしれません。

大晦日は悪寒に震え、元日は腰の痛みに起き上がれず。まー、割と最悪な年末年始なんでしょうが、それが既に起きてしまったし、お陰で20年間本棚に眠っていた良書と巡り会えたし、何だか良い感じです。今年は、当社は何か凄いことやってしまうんではないでしょうか。そんなこと腰の痛みが訴えている気がします。イタッ!

いなづま走り
腰折れて
元旦伏して
迎えども
我が魂
千里を走らん

そのまんまや、つまらんなー。

平成三十年元日 式会社Dai 代表取締役 木脇和政

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