言葉こそ文化 ー Japanese Language Proficiency Test.

夏目漱石
新宿区立漱石山房記念館入り口。以前は公園があるだけだったけど、今は資料館のようなものができていて、中には漱石が使っていた机がおいてあったりする。
言葉に関する漱石のエピソードで好きなのはこれ。
*I love you*
普通に訳せば、「私は君を愛してる」だけど学生が訳したそれを見た漱石の訳は「月がきれいですね」だったとか。
言葉はだとつくづく思うのでした。

Japanese Language Proficiency Test.略してと言いますがこの単語ご存じの方ってほとんどいないと思います。

日本語に訳すと、「日本語能力試験」です。

ここまで書くとどんな試験かお分かりでしょう。想像はつきますよね。日本語を母語としない方(決して一括りに外国人ではありません。)が、日本語の能力を測るために受験します。N1~N5までのレベルがありますが、N1の資格を持っている方というのは、ほぼ日本語でのになんの不足も感じられない程度です。逆にN5レベルとなると、日本語を学び始めたばかり、敬語とか漢字とかはまだまだです。

実施しているのは、国際交流基金とかの団体です。

年に二回、夏と冬に世界の主な都市で実施されているのですが、今日はその年に二回あるうちの夏期実施分が行われた日でした。当社からは3人の若者が挑戦してくれました。

もう試験もおわった頃です。彼らもどっと疲れが出てるか、晴れ晴れとしているか、いずれにしてもよく頑張ってくれましたねと声を掛けて上げたいです。

日本人として、日本語を学んでくださる姿というのは、ただそれだけで嬉しいです。

なぜ?

ことばこそ文化だと思うからです。

今は、正にインバウンドブームで当社の本社がある京都などはどこに行っても外国人観光客で一杯です。果たして彼らがいなくなったら京都の観光産業、ってどうなってしまうんだろうってぐらい彼らに支えられています。

そして、彼らは日本の仏閣を巡り、日本の風景を愛で、日本食に舌鼓をうってくれます。お金を落としてくれて文化交流にもつながりますから、観光産業さまさまです。

だけど、これだけだとなんか荒れた感じがするのは私だけでしょうか。

もっとじっくりと巡ってほしい、愛でてほしい、味わってほしい。そんな気持ちの日本人はこの急速なインバウンドブームを目の前にして多いのではないかと思います。

そんな中、日本語を勉強してくれている、学習してくれている人の存在があるのを知ってほしいなって思います。

語学学習って地味です。試験なので問われるのは会話力ではなく、語彙力、文法力待遇表現にまで至ります。でもそうやって身に付けた語学力からは真の文化に対する理解が生まれるのではないでしょうか。もっと言うと敬意すらも生まれるのではないかと思うんです。

TOEICやTOEFLは知っていてもJLPTは知らないって日本人のなんと多いことか。

だから、だから、今日JLPT受けてくれた彼らに僕は日本人として感謝の気持ちを述べたい。

ありがとうございました。

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Comment

コメント一覧 (3件)

  • 私もつい先日日本語能力試験の存在を知りました。私は日本語が大好きです。日本語の独特の言い回しや柔らかさ、音の重なりなどが美しいと思うからです。
    そのよう中で、海外の方からもこの言語を愛してこの言語を勉強しようとしてくれている人たちがいるということは私はとても嬉しく思いますし、この記事を読んで私もその方々に感謝の意を示したいなと思いました。

  • こんにちは、レオンさん。
    代表の木脇和政です。
    ご賛同いただきありがとうございます。
    言葉を勉強として学ぼうとするとお金も時間も掛かるしけっこう大変だと思います。
    でも、そうであるだけに真剣さが感じられますしその国の人間としては嬉しいですよね。
    感謝、感謝ですね。

  • 私たちの会社の筆記試験を受けてくださった方が、このようなコメントをくださいました。一部省略して紹介させていただきます。

    「沖縄には”うちなーぐち(琉球語)”があり、そのなかのことわざで”生まりくとぅばわしーねー国わしゆん(生まれた国の言葉を忘れると国を忘れるのと一緒だよ)”という言葉あがありとても上記の記事を読ませていただき強く再認識したとともに、沖縄でのうちなーぐち教育がないことを残念に思った次第です。」

    私はこういうお話しを聞くと、石川啄木の詩を思い出します。

    ”ふるさとの訛なつかし停車場の人ごみの中にそを聞きにゆく”

    コメント主さん、ありがとうございます。

    言葉が失われると国も自分もなくなることを今ウクライナの人たちも戦いながら告げているように思います。

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