東京の正直さ

サウジアラビアではちょっとした日本ブームなんだそうです。フクシマ原発、いわゆる風評問題で日本離れが一向に改善されない状況では嬉しいニュースです。その日本ブームを作ったのがサウジアラビアの情報バラエティー番組「ハワーテル」が作った東京レポート。番組のタイトルが「東京の」ということなのでググッてみたらYoutubueにアップされていました。

当然のことながら全編アラビア語なので何を言っているのかはサッパリ分からないのですが、作りとしてはドッキリカメラに近いような、いわゆるバラエティ番組なので、見てるだけで内容は理解できました。

仕掛け人が現金約3万円あまりが入った財布を路上に置き、それを拾った通行人がどういう対応をするかを、隠れたところからカメラが追うというものです。それを東京のどこかのある街で仕掛けているわけです。想定される拾得者の行動としては、そのまま正直に交番に届ける、あるいはネコババしちゃうですが、それを拾ったカップルとおぼしき日本人は正直に交番に届けてくれました。

次に場面は変わって、サウジアラビアのどこかの街で同じことを仕掛けたところ、それを拾った男性はそのままポケットに入れて(10分10秒あたり)いて、スタジオのキャスターは日本大絶賛という調子で喋くります。

日本人として誇らしい気持ちもしますが、こんなのやって良いのかなーという気持ちにもなります。

これは犯罪を立証するときのおとり捜査への違和感に通じるものがあります。海外では犯罪立証手段として”おとり捜査”や”司法取引”が多用されますが、捜査手法として日本ではおとり捜査が認められていないのも、それが日本人のマに即していないからでしょう。根底にあるのは人は弱き者、強がってはいても弱き者であるという人情的なものが日本人にはあるからのような気がするのですがどうでしょうか。或いはただ単に平和的すぎるからでしょうか。

この番組はどうもイントロに出てくる「改善」という文字を見ても、日本を見習おう!みたいなのがその趣旨のようです。その他のシーンには「犬でも価値がある」というタイトルがあったりと、ちょっと和訳が怪しいですがこれも日本人のモラルを絶賛してくれています。

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