私は今まで一体何万本のメールを書いただろうか。
日本でアスキーネットと呼ばれる、いわゆるパソコン通信(知らない方は全く知らないと思うけど、懐かしく思う方も中にはいらっしゃることでしょう)が開始されたのが1986年。その頃から、音響カプラーと呼ばれるものを黒電話にねじり込み、実に音声データを直接変換してデータ通信をしていた。当時の通信速度は300bps(一体今の100Mbpsの何万分の一のスピードなんだろう?)。
今でも、受話口から流れてくるピー、ポーという音が懐かしい。パソコン通信の仲間には、ここに直接口を当てて、ピー、ポーの音を出して文字をモニターに出して喜んでいるやつもいた。
その頃から、一番使っていたのがメールだけど、一日に5本書いていたとして、2012年の今日までの約25年間。ざっと、約5万通のメールを書いていることになる。
5万通も書いていて、我ながら進歩も何もしないものだなとため息を漏らしながらも、他人のメールを見ると、一言注意したくなったりします。
特に、弊社に入社を希望される方、面接応募の方々のメールには、これから社会人になろうかという方々も多く含まれるので、いけない作法のメールが結構あります。
コレはダメ。
■件名がない。:
滅多にありませんが、たまに件名のないメールで応募される方がいます。これは多分携帯の影響でしょう。最近は携帯やスマホだけで、企業ページの閲覧できますし、PCなど使わなくてスマホだけという方も増えています。そういう方にとって件名は不要なのでしょう。しかし、ビジネスではありえませんね。
■件名が不適切。:件名欄に、「こんにちは」「お早うございます」とだけ入れてる方がいます。ダメでしょ。
「山田太郎です。」「今回応募の山田太郎です。」と個人名だけ入れてこられる方がいます。ダメでしょ。
「応募の件につきまして」「面接の件につきまして」と悪くはないのですが、一日何本もこういうメールがくると分からなくなります。
件名はとても難しいです。人類が、日本人が、私の例で言えば一年間に1000通以上のメール、言わば手紙を書くなど人類の歴史始まって以来のことですが、もっと歴史始まって以来のことは、そこに件名が存在していると言うことでしょう。通常、手紙であればそれに件名、タイトルを打ったりなどはしません。本来メールに件名はないものです。それがどういうわけかメーラーには件名が必ず用意されているので、入れないわけにはいきません。そして実際、ビジネスの現場では適切な件名が入っていると、後日見直した場合などに、分かりやすく、重宝します。適切な件名をつけるスキルはビジネスの世界では必須だと言っても良いでしょう。
だからこそ、なのでしょう。社会に出ていない方のメールの件名には改善すべき点が多く見られます。
適切な件名とは、件名を見ることで、本文の内容がたやすく想像できるもの、それが適切な件名です。
私は多くの方に、そうアドバイスしているのですが、それを実践するこつがあります。それは件名は一番最後に付けるということです。メールを書くのが遅かったり、メールを書くのに四苦八苦している方を見ると、どうも件名で止まっている方が多いようなんです。
それは順番が逆だと思います。
本文を書いてみて、それを読み直してみて、本文に関連した適切な件名を付けるようにすれば随分と改善されると思います。
次に多いのが、
■htmlメールになっている。:ビジネスメールの基本はテキストメールでしょう。htmlである必要がありません。もしhtmlで書かれるのであれば、相当センス良く、色味を意識し、格好いい画像が配置されていてほしいものです。
■一行の文字数が不適切:たまに改行なしのメールがきたりしますが、読みにくくて仕方がありません。一行30文字~40文字が適切でしょう。
■段落が不適切:大体5~6行おきに段落で分けるのが適切に思います。つまり200~300文字で一ブロックぐらいにすると受けた方も読みやすいと思います。
■件名と内容が乖離していってる:最初の頃は、件名が内容を表していたが、話が展開していくうちに件名と乖離していく場合があります。そのような場合には適当なタイミングで件名を書き換えるべきでしょう。
色々書きましたが、最終的にはメール本文の内容が一番重要であることは言うまでもありません。
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コメント一覧 (2件)
コメント失礼致します。
私はつい最近メールを使うようになりました。
今の学生は、LINEやTwitterは使っても、日常でメールを使うことは
ほとんどないので、メールのマナーやルールは知らないことばかりで、
同じようなことで注意をいただきました。
メールはLINEやTwitterによる短文のやり取りではないので、
文章を作るのに四苦八苦しました。
小学校、中学、高校でプログラミングが授業が必修になりましたが、
社会人として働くのに必要となる基本的なパソコンの扱いや
メールリテラシーを充実させた必修にした方が良いのではないかと感じます。
コメント失礼いたします。
この記事を拝見して、胸にグサリと刺さるものがありました。
社会人として、使うことの多いメールですが、
ツールとしての使い方は教わっても、その作法や、書き方を教えるということは少ないように思います。
習うより慣れろで、メールを覚えていく方がほとんどでしょう。
メールリテラシー、私自身もまだまだ学ばなければならないなぁと再認識させていただきました。