かんたんに辞めんとき。

今日のエントランスの生け花はひまわり一色。会社についた途端パッと明るくなった。
「ひまわり」のマルチェロマストロヤンニの後ろ姿は今でも思い出す。
背中でセリフを喋ってた。
そのひまわりが撮影されたのは、時代のウクライナだったらしい。
遠くて近い物語です。

会社に荷物を配達にきた宅配便の若者と少し話しました。
彼、悩んでました。今の仕事を続けるかどうかにです。彼は今の職についてちょうど1年だそうです。ここに来て、このまま続けて良いのか、この仕事は自分に合っているのかと悩んでいるのだそうです。

君さ、悩むなって言ってもそれは難しいことやけど、悩む前に一度一番取ってみたらどうや?それから考えたら?僕は君の仕事ってしんどいやろうけど、社会的に意義のある仕事やと思うよ。そこで一番取れよ。

別にな、他人との比較で一番とかじゃないねん。ま、その方がわかりやすいやろけど、自分の中での一番や。

君の仕事ってさ、お客さんに荷物を届けることやんか。

お客さんの荷物を一個でも早く届けたらどうなるんやろ。
そのためには、君は先ずは体を鍛えなあかんわな。重い荷物持ったり、それ持って走ったりしなあかんもんね。

でも、それだけでは足りないわね。それと同時に何らかの工夫をしなければならないやろ。荷物の積み方、配達のルート、天候との相談等々、一杯あるよね。
そして、ガンバってガンバって、その結果、成績が上がればどうなるやろうか。
君の待遇は上がるかもしれへん。
だけど、それだけやないで。
周りの人はそれを真似しますわ。だって誰だって成功した人の真似はしますやんか。
真似してくれたら、会社全体の業績が上がりますね。
会社は大きくなり、大きく稼ぎ、利益を出して税金を納め、その税金は社会整備などに使われ社会は豊かになりますわ。一方で、会社は業績が伸びれば新たな雇用を生みだしますから、地域社会に貢献することになるやろ。

つまり、君の頑張りは自分も豊かになるけど、結果として社会にも貢献するっていうことやねん。

今、君が悩んでるんはな、聞いてると全部自分のことやねん。自分がこの仕事に向いてるかとか、いくら働いても給料上がらんしとかね。つまりは、自分の手元足下ばっかりを見てるんよ。

チャリンコでもな、足下ばっかり見てたらこけるで。こけんためには先を見んとな。
一生懸命やってそれを実現する。
だけど、いくらやっても君の働きが報われないのであれば、その時には今の会社見限ったらどう。その時にこそ次の職場を見つけるべきや。
今、君は君の職場に打ち込めばそれは君自身をも高めることになっているのやで。
それを、辞めたいという気持ちでいい加減に働いとったら、それは君自身の成長を阻害していることになるんや。

それとな。君は自分にはどんな仕事が向いてるやろかって悩んでるけどな。そんなん答えはありませんって。自分で自分に向いた仕事なんて分かりませんって。

自分の好きなことやったらええねんって世間の人は言わはるけど、僕はそれには反対です。自分の好きなことすら分からん人、ない人っていてるし、好きなことが仕事になったら苦痛やって思いますわ。

だってな、この世は商売、金儲けやで。お役所とか公的性格の強いとかそんなんでもない限り、民間は競争競争です。競争の前には絶対に妥協しなあかん場面が出てくるんですわ。好きな人が何の妥協もせんと自分の好きなもん作り続けたら破産しまっせ。そやから料理好きな人は、日曜日に、休みの日に自分や自分の愛する人のために思う存分料理したらええんですわ。

じゃー、どうやって決めたらええかって言うとね。これは俺の持論やけど、人に決めてもらうんが良いです。ただ、その時に注意しなあかんのは自分と利害関係のない人でないとあきません。何でか言うたら、その人は君の一生を決めるときに自分の利害を絡ませて判断する恐れがあるからです。

例えば、ご両親への相談なんか最悪ですわ。利害のかたまりです。君に将来してもらおうとか思ってたりしてたら、君の将来を中立には見れないやろ。学校の恩師とかいいで、君のことよう知ってはるやろからね、良いところも悪いところも。

そやけど、難点は学校の先生って世間をあまりご存じないことやねんね。そやから、君のことはよう分かっても君に合う世間の情報が少ないからマッチングさせるんが難しいわね。

俺?
俺は相談相手としては最高やで、君のことも大体分かったし、世間のことも人並み以上に分かってるつもりや。そやな、今晩吞みいこか。

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