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やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、

山本五十六記念館。近くには、幕末の動乱にあって日本のスイスを目指した河合継之助の記念館も。そう言えば今太閤と呼ばれた田中角栄も長岡ではなかったか。なんだか幕末から近世日本までを作り出した西郷隆盛、大久保利通、東郷平八郎、大山巌、山本権兵衛らを生みだした鹿児島の加治屋町という小さな町を長岡は思い出させる。

管理職になったり、リーダーになった人が必ず悩むのが部下のこと。当然ですね。自分はこれだけのことをやっているのに部下は一向に動かないし、ましてや自分から動くことはない。うちの社員はみんな指示待ち人間ばかりだどないしたらええねんと嘆息。

そんな時、昔から彼らを勇気付けたのは、
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」という山本五十六連合艦隊司令長官のことばだったのではないでしょうか。
あの山本五十六長官でも部下の扱いには苦労していたのだから自分がこれだけ苦労しているのはしかたのないことと自らを慰め、そして奮い立たせていたのだと思います。
イソロクはリーダー論では最も登場頻度が高く世代的なこともありますが経営者に人気の人物でもあります。
昨年、新潟でそんな経営者の勉強会が行われたのでその翌日、隣の長岡市にその山本五十六記念館を訪ねました。
せっかく新潟まで来たんだし、単に、五十六の歴史に触れて帰ろうと思っただけだったんですが、そこで館内を案内してくださったボランティアガイド「小島さんのイソロク愛」が凄すぎて、この方をぜひ紹介したいと思い投稿します。
場所は長岡駅の西口を出て信濃川の方に歩いて10分ほどの距離です。途中には幕末に薩長と壮絶な戦いを繰り広げた河井継之助記念館もあったりします。
この二つが距離にして500mと離れていないのが長岡の歴史をとても語っているように思えます。
さて、山本五十六記念館といっても写真の通り、案内がなければ通り過ぎてしまうような建物です。
館内は精々4,50坪といったところでしょうか。
入館チケットを購入し展示品を拝見していると一人のすこし腰がかがんだ感じの女性がすっと寄ってこられます。そしてガイドしましょうか?と。直ぐに帰るつもりであったこともあり躊躇したのですが、知りたいことはいっぱいあったので、済みませんがもし宜しければお願いします、と。
さて、いったんガイドが始まるとまるで水を得た魚とばかりに、語る、カタル、語られる、イソロクの幼少期からその先祖、そして現在の子孫に至るまで複雑な家系を当たり前のように暗記されていて、まるでイソロクの祖父に昨日会ってでも来たような語り口です。
来館者は私一人、小島さんとはマンツーマンです。
一つの展示品の前で最低でも5分。狭い記念館ながらも展示品はそれなりの数ですから申し訳ないような嬉しいやらの2時間近くでした。
一通り一周し、私も彼女自身のイソロク愛に興味が湧き、少しお互いに自己紹介をしました。長岡出身の方だとばかり思っていたのですが、そうではなくガイドのキッカケは丸の内でのOL時代に遡るということで、なるほどなーと妙に合点しました。
このまま帰るのは名残惜しいとツーショットをお願いしたのがこの写真でしたが、撮りりながら、冒頭の「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」という言葉を小島さんはどう解釈されますかとお尋ねしました。わたし自身このことばには違和感があったのです。なぜなら、確かに人を動かすのは難しいし、それに多くのリーダーは悩んでいる。しかし、長官ほどの人物ならばここまでやらなくとも部下はことば一つで長官の意を察し動いたはずだと思えるのです。それに戦時中なら大義が存在します。長官ほどの人物が人を褒めて動かそうとしていたというのは少し疑問だと正直にお話ししました。
それに対して小島さんの答えは、こうでした。これはイソロクの部下を思う心を言葉にしたもので、こうやったら人を動かせるということではないと私は思います。人の動かし方じゃなくって人を大切にしなきゃだめだと言っているように思うんです。山本五十六の生き方を見ていますとね、部下への愛情には常軌を逸したほどのものがあり、この愛情がことばになって表れただけのように私には思えますとのことでした。
さて、どうでしょう。戦後75年。山本五十六の人物評については今も賛否両論だと思います。太平洋戦争の帰趨を決したともいえるミッドウェイ海戦のさなか、味方の艦船が撃沈され敗色濃厚となった中でも、悠然と部下と将棋を指していたとか、ほんまかいなというような逸話が山ほどあります。
ナルホド。
私はついつい経営者として人の動かし方みたいなところでこのことばを考えていましたが、小島さんは人そのもの、一人ひとりの人としての大切さという視点からこのことばを見ておられた。
思いもしなかった小島さんのガイドで歴史を別の角度からほんのちょっとだけでも深く知ることができたように思います。
ご縁をくださった勉強会の皆さん、小島さんどうもありがとうございました。