作家の永六輔が言っていた。
「自分の誕生日を一番感謝すべきは、自分のお母さんにじゃないのか」と映画評論家の淀川長治が言ってたって。いかにもヨドガワナガハルらしいことば。映画を愛するようにお母様を愛していたんだろうな。
当社には本人の誕生日休暇と同居している家族の誕生日休暇制度があります。ですから、一人暮らしの独身だと、誕生日休暇は1日。4人家族だと合計4日間の休暇。それは、自分の誕生日よりも家族の誕生日の方が嬉しいし、子どもの誕生日なんて無茶苦茶嬉しいし、それを祝う休暇はまっとうではないかという考えからでした。
元々、日本には自分の誕生日を祝う風習なんてなかったように思う。それは戦後教育の一環で個人というものの大切さが意識させられたから。だから、戦前には天皇誕生日を国をあげて祝うということはあっても、子どもの誕生日に誕生日ケーキを買ってきてなんてのは、ごくごく一部の山の手といわれる家庭にしかなかった。
その誕生日ケーキの起源についてもそれは古代ギリシャにまで遡ることになる。 月の女神「アルテミス」の誕生日を祝うために円形のケーキを神殿に供えたことに始まるらしいんだ。これも自分にではなく他人を祝ってる、相手は神様だけどね。
ということで、もともと、人は自分より周りの人を祝いたい動物なので、誕生日休暇も自分ではなく家族まで含めたということです。
でも、でも、ここまで書いてきて冒頭の淀川長治のことを思った。考えてみると、自分の誕生日を祝うというのもありだなと。
自分を産んでくれた人へのありがとうの気持ちとして、自分の誕生日を祝うというのも十分にありだなと。
つまりは、心がどこにあるかなんだな、感謝の心がね、どこまでいってもね。
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コメント一覧 (1件)
昔、たまたま淀川長治さんがゲストでいらっしゃっていたある試写会に足を運んだ時に、「日々もしも空いた時間があるのであればなるべく映画を見てください。映画を見れば見るだけあなたの人生は豊かになる」と独特のあの暖かいお声でおっしゃっていたのを思い出しました。日々、自らを褒める、自らに感謝するということは端折ってしまいがちなのですが、誕生日をきっかけに自らが生きていることをお祝いするのは良いアイディアですね。今年からは是非心がけてみたいと思いました。