チーム力の光と影。

最近、で、会社の強さに欠かせないものは何でしょうかとお尋ねしたら、”チーム力”だとお答えになった方がいらっしゃいました。

この答えは、いくつでも考えられますし、何が正解でもありませんから、ま、順当な答えだということになるでしょう。

そのことを何気なく覚えていたのでしょうか、中継で男子400mメドレー、フェンシング団体、卓球女子で立て続けに日本チームが銀メダルを獲得しました。団体戦に強いニッポンの面目躍如と言ったところですが、よく考えるとこれって団体戦なんでしょうか。サッカーや野球のようにチームプレーなんて全くなくって、400mメドレーなんて、個人がベストタイム出せば良いだけの種目です。ですから、金メダリストが多いチームが勝利するはずです。卓球にしても、フェンシングにしても、個人が強ければそれが直接反映するはずです。

なのに、日本は銀を取ってしまってる。個人で秀でた人間はいないのに。

これは何なんだろうと思いますが、選手のインタビューにはその気持ちがよく表れています。コースケ(北島康介)を手ぶらで返すわけにはいかないという気持ちでやってきたと話していました。気持ちなんですね。気持ちだけではなんともならないものもあるでしょうが、大概は気持ちなんだと思います。

チーム力、侮(あなど)れません。

水泳でもこれだけの成果を残します。ましてや会社のような個人のやる気や努力で何ともなるような環境にチーム力が加わったら、それは強いですね。

しかし、このチーム力に依存しすぎたり、過度に重視したりすると、その弊害としてスター選手を生みにくくしたり、個性ある選手をつぶしてしまったりにつながりかねません。

特に、弊社が本店を定めている京都という土地柄は、協調に反する行為を厳しく糾弾するようなところがあります。

おっとー、京都論を語り出すととてもこのブログでは収まりきれません。では。

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コメント一覧 (2件)

  • 「特に、弊社が本店を定めている京都という土地柄は、協調に反する行為を厳しく糾弾するようなところがあります」との記述がございましたので、この点について申し上げます。

     これは、目立つことを戒め、同調を強制すると理解されがちです。ただし、なぜ協調に反する行為が非難されるかについて、あまり理解されていません。そのために、もう少し深い意味を持つことを、知らない方が多いのは残念に思います。

     皆と協調するということは、皆と同じことをするというわけではありません。むしろ、他者の行為をそのまま模倣することこそ、強く戒められます。なぜなら、模倣は他者の領分を侵すことであり、それは共存を否定することになります。

     共存するために必要なことは、徹底的な差別化または個性化です。むしろ目立つことともいえます。そのことで、社会的な意味でのワークシェアリングが可能となり、当事者はナンバーワンではなくオンリーワンとなり、だからこそ、同じ業種であっても、たくさんの老舗が長い間共存できたわけです。そのうえ、過度の拡大も好まれず、むしろ拡大を意図することもまた、強く戒められます。これは、過度の拡大は不必要な競争を引き起こし、それによってサービスや商品の質の低下が心配されるからです。

     しかしだからといって、切磋琢磨をしないわけではありませんし、革新の気風を失うものでもありません。むしろ、そうした気風を失えば、時代の変化に対応できず、やがては絶えてしまうからです。おかしな表現ですが「変わらないために変わり続ける」ことが、京都の土地柄であると思います。

     以上、ブログ記事の感想を申し上げましたが、情報誌の出版から始まり、紙媒体からインターネットへと提供メディアを変えて、今日においては、より深化した情報内容を提供されておられる貴社の沿革こそが、まさに京都の老舗と同じく、「変わらないために変わり続ける」ことを実践されておられると強く思います。

  • tomojiimaiさん。
    コメントありがとうございます。
    実に深いコメントですね。こちらを拝見していると、いかに私の内容が
    通り一遍のものであったかが分かります。

    > 同じ業種であっても、たくさんの老舗が長い間共存できたわけです。
    なーるほどー。面白い!

    > そのうえ、過度の拡大も好まれず、むしろ拡大を意図すること
    > もまた、強く戒められます。
    > これは、過度の拡大は不必要な競争を引き起こし、それによって
    > サービスや商品の質の低下が心配されるからです。
    目的は違うようですが、まるで独禁法を法によらず、自らの集団の知恵
    として実践しているみたいです。

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