語り部たちがいない平和教育。

シュガーロフ
”シュガーローフ”日本名は”安里52高地”。をアップしていただくと分かるが本当に小高い丘。
しかし、この丘の攻防を巡って日米の苛烈な戦いが行われた。米側だけども3000名近い死傷者数を出した。

滞在7日目。
今日のアサカイはどこからやろうかと考えていたら、ホテル内ロビーの放送が沖縄戦の平和教育について映像を流していた。ある中学校での平和教育への取り組みについてだった。
戦後ももう80年近くが経つ。平和教育でもっとも効果的なのはその戦争の悲惨さ凄惨さを体験した人たちからの真実の言葉を若い生徒たちに聞かせることだ。しかしその人たちの数が少なくなっているのはどうしようもないこと。
そこで、先生たちが考えたのがロールプレイイング的要素を取り入れたやり方だった。

具体的には、こんな感じだ。
今、米軍が沖縄の西海岸から上陸してきました、あなたたちの近くにどんどん迫ってきています。さて、あなたは北へ逃げますか南へ逃げますか、それともその場で隠れますか?
先生は、沖縄の地図と米軍の上陸ルートを生徒に示しながら、自分がその時代その時に生きていたとして、同じ状況になった場合どういう行動するのか生徒たちに考えてもらう。
映像を見ていると 教える側の先生も30代半ばだろうか、その先生の親の世代すら戦争を経験したわけではないだろう。生徒たちに対してはこういう問いかけもあった、「なぜ私たちは戦争のことを学ぶんでしょうか。」 なぜ学ぶのか答えのない問いかけがいくつも続いた。
先生と生徒たちがお互いに話し合いながら、想像をふくらませ考え続けた授業だったように思う。
別の生徒は、「この戦争は沖縄の人だけではなく本土の人にも伝えるべきだし、そのために自分自身がこうやって勉強しているんだ」と発言していた。それを聞いて、 私も微力ではあるけども今日のアサカイをシュガーローフの現場からやろうと思った。彼らに伝えると共に私自身のためにも。

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