理想の写真。

By DALL·E3
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ある日の社内取材風景

私たちの会社では案内をしています。中断したことは特にないです、中断していたとしても応募される方がいれば書類は拝見しますし、その上でを受けていただいたり、をさせていただいたりします。
そんな私たちですから、求人媒体への掲載原稿を作ることもしばしばです。

媒体の方が取材はされますが基本的には社内で作りますから何度かその場面に私も参加しています。
以前、もうずいぶんと以前になるかもしれませんが私たちがリアルに出社していた頃のことです。会社に取材記者が訪ねてこられました。その時はお一人の方が記者もう一人の方がカメラマンの2名構成でした。
あいさつが終わるとさっそく記者の方は各事業担当者から上手に話を聞き出し、一方でカメラマンが社内の風景や仕事をしている皆さんの様子を撮っていました。
その時、明らかに撮られるのが嫌だなって感じの女性メンバーが目に入りました。
その時の自分の態度です、嫌な態度でした、でした。あえてカメラマンの方に女性の撮影は困りますとか、撮らないでくださいとは言わなかったんですよね。

やはり求人媒体お金かかってるし、その分、応募はいっぱい来てほしいしそのためにはいい感じののっけないとだめだよなって思いがあって、これぐらい良いだろうって思って何も言いませんでした。
一方で取材記者もカメラマンも現場なれされているというかそこら辺はなんとなくわかってらっしゃる様子で、皆さんご協力ください皆さんの笑顔で応募数はぜんぜん違ってきますから、やはり応募される方って会社をよく知りたいんでどんな方が働いていらっしゃるかってそれが1番惹きつけるアイテムになったりしますからどうぞご協力くださいとか何とか言いながらシャッターを切り続けていらっしゃいました。
こうなるともう協力しないわけにはいかないですよね、全体をある種の空気が支配しています。
メンバーのみんなは何かわかったようなわからなかったようななんとも妙な空気の中で時間が過ぎていきました

なんとなく協力

これが多くの会社で起きている現実だと思います。
これは別に求人の案内だけではなく会社案内など会社を知ってもらうために外に対して出すもの広報的なものでも、やはり良い企業だと思ってほしい、もっと言うと優しくて働きやすい会社だと思ってほしい、そのために女性の方々に応援を頼んだりします。

こういったことを仰るのは求人媒体だけではなく、人材採用のコンサルの方とかも全く同じです。ほんとに皆さん判で押したかのように同じことをおっしゃる。
とにかく応募数を稼ぐためには、まずは人目を引く写真を用意してください、人目を引く写真には和やかな社内風景とかがいいです、特に女性の方に出ていただけると雰囲気良くなりますからねと。
次に大切なのはオンシャだけのタシャにはない特徴これを短い言葉でお願いします。実際、他の箇所は応募者さんはあまり見ませんから働きやすい環境だってことのアピールお願いしますと。
実際、私も求人サイトを見ているとそういった社内風景で女の子が和やかな雰囲気で仕事をしている写真とかがあげられていると、その会社に対して良い印象を持つのはあるだろうなって思います。

しかしそれはウソだってなんとなく分かる

だけど、こういった現場を自分自身が見ていると、その写真って作られたものじゃないかって思うんです。そこにあるのは本物の笑顔、本物の雰囲気ではなくカメラマンや記者によって作られたそれでしかない。
同意のように見える不同意がそこにはあるのじゃないか。
笑顔のように見える不安な心がそこにはあるんじゃないかと。

すると、もう一歩踏み込んで考えるとそういった一見和やかな写真を載せている企業は逆にブラックなんではと思ったりするのです。笑顔が多ければ多いほど怪しい。
顔出しをしている社内広報って実際はおかしなことじゃないかって。

今の時代です、個人情報がこれだけ重要だと叫ばれ、個人のプライバシーを会社や組織は異常なまでに守っていると思います、表面的には。
の類がニュースにならない日はありません。
こんな状況なのにどうして女性がそんなにこやかにみんなと一緒にいわゆる顔出しをして写っているんだろうか。
危険でしょ?
笑顔は怪しいのです。

エンゲージメント、そんなの嘘

この考えをある人材コンサルの方に申し上げたら、いえいえ最近は女性の方でも積極的に顔出しオッケーで出られる方いらっしゃいます。
それに社員さんが会社に協力して出ているっていうのはとても社員さんのエンゲージメントが高い会社さんであるってことの証明じゃないですかねと。

エンゲージメントが高い!
エンゲージメント、こじゃれた言葉ですけど日本語に直せば忠誠心みたいなやつでしょう。
そんなのないですよ!

しかし続けてコンサルの方は持論を展開されます。

いえいえ女性の方でも例えばインスタのリールだとかTikTokだとか以前に比べれば女性が顔出しをしているそんな積極的な女性増えてますよと。

いやいやそれはあくまで一部の方で、そういった方はかなり個人事業主に近い方なんじゃないかって思うんです。そしてのエンゲージメントに関して言うと、それはあるかもしれませんが果たしてどうなんでしょう。

エンゲージメント、それより空気

では、多くの求人誌に見られる写真、その中で彼、彼女たちはどうしてカメラの前でピースサインをしているのか。
利害で協力しているのでしょうか。
会社は人手不足で困っているし業績を伸ばすためには優秀な人がほしい。一方で社員はやはり昇進は望むしそれにともなって給料も上がってほしいからでしょうか。

いえ、全くないとは言えないでしょうが今の時代昇進だとか昇給だとかそういうことで女性が会社の広告に出てもいいよなんてことはないでしょう、全くないとは言えないけど昔に比べたらずいぶんと薄れていると思います。
もうそんな時代ではないでしょう。

しかしこの日本という国ではたらき方はずいぶんと変わりましたが、依然として昔から変わらないものがあると思います、それは同調圧力ここでも同調圧力。

会社や周りから非協力的と思われたくない。
私が出ないと会社に迷惑をかけるとかあの人も出てるんだから私も出ないと気まずいとか。
本当はやりたくない、だけどリーダーとかが会社からの指示を受けてこれは会社の意向だぞみたいなところでみんなやろうよとポジティブな雰囲気を作って写真写ろうよ写ろうよってやる。
正直なところ冒頭に述べたようにわたしもそれに似たようなことをやっていたのです。

そんな会社がやっている社員募集とは言え自分たちが出なきゃいけない義務があるでしょうか。
今個人情報の大切さがこれだけ叫ばれています会社は全社員の健康と安全に配慮する義務が法律で定められています。
個人情報はその延長線上にあるのではと思います。
こんな状況で女性がにこやかな顔をして募集画面に写っているのは奇妙でしかありません。
様々な犯罪や事件が起きています嘆かわしいことでどうしてなのかと思いますが起きているのは仕方がありません。

じゃー、どんな写真使うの

ただ、そういう写真じゃなければ一体どんな写真を使うんだろうっていうところはあります。会社の建物を写してもあまり魅力的なものとはならないでしょう、それにそもそも私たちは完全リモワなので意味がないです。
業種的に、見たり手に触れることができる商品があるわけではないですし、それを製造しているかっこいいマシンがあったりするわけでもありません。私たちの仕事って何か物を写真に撮ろうとしてもその内容はウェブ上のサービスですからこれは撮りようがありません。

結局、人なんです。
私たちの仕事って人がいて初めて存在するので人を撮るのが当たり前に良いことだしそれでなければ会社を伝えることはできないでしょう。

ではどうする?
仕方がないからといってあまりプライバシーを気にしないでいいだろう社長や役員の写真で攻めていくとこれまた今のご時世ドン引きとなりまぁ応募数激減するでしょうね。

そうするとやはり社内の雰囲気というか仕事って何をしてるんだろうって考えると誰と仕事をしているかが最も重要なわけで、そうであればその人たちがホームページに出ていると、応募する人はいろいろ考えることができて応募検討する大きな材料になるでしょうね。
だけどその人が応募して入社して立場が変わったらどうでしょう、私も社員さんの写真を見て応募したわけだから私も協力しようってなるでしょうか。
なってほしいと思います、なってほしいとは思いますが現実には厳しい。

私は一緒に働く仲間は一生この会社にいてほしいずっとその人と仕事したい。就職、転職は結婚と同じだとやはり心のどこかで考えています。だけど今はそんな世の中じゃないし人も会社もそう思ってないでしょう、そうが思ってないとそうはならないですね。

だけど今はもっと自分に正直でいきたい。そんな動きをしちゃだめなんだ、相手の合わせなきゃだめかなっていう弱い気持ちを利用しちゃダメなんだと思う。もちろん全てが全てなわけない本当はどうなのかわからない。

自然にありのままに

私が応募者の方々に求めるのはです。個性とは違違います、自分らしさです。
一人一人がこの世に生まれてきて自分らしく生きようって大抵は思うわけですが、それを貫くのは困難極まりないことです。
この社会は自分らしく生きることが難しい社会です、それはますますそうなって行ってるように思います。なので人はを切り分け社会にいるときには自分を抑え周りに合わせる集団になってしまってるような気がします。

だけどそれがいいなんて誰も思ってない、周りに合わせている自分が良いなんて誰も思ってない。

私は応募者の方を客としては扱わない、同じ人として未来の仲間として接していきたい。
にこやかな会社の写真が自然な場合もあるでしょうしかし現実にはそうではないように思います。
仕事はやっぱり厳しいわけで、昨日までできなかったことが今日はできるようになっていなければならないし、明日は周りの人もそうなっているように務めなければならない。そうでなければ会社の意味がありません。

人に自分らしさを求めるのであれば会社もより自然でなければなりません。
この社内写真に対する考えは、正義感ぶってるかもしれないけど、みんなやってることだしそれほど大げさに考えることではないのかもしれないけど今のところダメだって思います。
特にのようなお互いの信頼が元になっている働き方においては。

この会社の目指すところ、この会社のあり方そういったことに働く人たちが心から共感してくれた時、ありのままの自分と仕事とが一直線上に存在できたとき、もうこんなお話は意味をなさなくなると思いますこんな懸念はなくなると思います。
そのステージを目指して、さ、仕事。

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