公正取引委員会がセブンイレブン・ジャパンに対して排除措置命令を出した。消費期限の近づいた弁当を値下げして販売したいといっていた加盟店に対して、強権をもって阻止しようとした(優越的地位の乱用)が認められたのが理由だ。
このことにより、コンビニ成長のビジネスモデルとなった、「価格で勝負するのではなく、利便性で勝負し、個店ではなく全体で利益を享受していこうという手法」は一部で綻び、そしてそれが全体に及び、他チェーンにも広がっていくかもしれない。
コンビニ業界にとっては危機とも言える状況かも知れないが、新たなステージへ飛躍のためのステップのようにも見える。
もともとフランチャイズシステムとは本部がノウハウを提供し、その見返りとして加盟店はロイヤリティなどの形で金銭を支払うわけだが、お金さえ払えば何でも本部がやってくれて、加盟店はそれに従っていれば良いというものではない。加盟店は加盟店で経営努力が必要なのだ。
であるならば、消費期限が迫ってきたから一律に廃棄処分をするというのであれば、そこに経営の工夫は見られない。せいぜい仕入れの際にしっかりと予測を立てることぐらいだ。
消費期限が迫ったものをどうするか。10円値引くか、20%値引くか、あるいは廃棄するか。どの商品は値引くか、どのタイミングでそれらを行うか。ここには商人の直感が必要だろう。
本部のノウハウと、現場のオーナーの工夫と努力、そして商人としての直感が結びついたとき、力強いフランチャイズチェーンができあがるのではないだろうか。
今までは、本部が募集する加盟希望者には、あまり商売の経験はなくとも、本部の指示に素直に従うようなオーナが多かった。
しかし、今後本部には真の意味での独立経営者を募集し育てる必要が出てくるだろう。
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