私たちの会社では「Bカート」という卸問屋向けのカートを商品として販売している。
販売しているといっても軒先でパッケージ化したものを売っているわけではもちろんない。相手は問屋さんやメーカーさんなので、営業は極めて個別対応になるのだ。相手会社さんの要望をお聞きしながら一つ一つ作り上げていくという職人芸的作業で進めていくわけだ。
今日僕はその職人さんから、決してこのBカートを使ったら儲かるなんて営業先で言わないで下さいよと釘をさされてしまった。
情けなかった。僕はそういう風に見られているんだ、そんないい加減な、不誠実のかたまりのような人間だとこの人には見られているんだと思うと悲しかった。
そんなの常識じゃないか、そんなことは人間としての常識であって、営業の現場で「Bカート」の特長や技術面の優位性は説いても良いが、儲かるというのは決して口にしてはいけないし、たとえそんなことを口にしたって、かえって常識を疑われるし、マイナスになってしまう。そんなことが分からない人間ではないよ、俺は!と怒鳴りたい気分を辛うじて抑えた。
なんせこんな侮辱、人間の尊厳にかかわることなんでね、大袈裟に言うと。
だけど、そういう傾向が絶対無いとは言えないとも分かっているつもり。何とか会社の売上げを上げようとあらぬことを言ってしまう傾向が全くないかというとそれは残念ながらアル。
そして常識の欠落した人間というのもこれまたイルわけで。
例えば新人の営業の方などには、こんなの常識だと分かってはいても、相手に対して失礼だとは感じながらも敢えてこんなことも教えていく必要があるのだなと感じた今日の午前中でした。
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