或る日、或る社員が、こんなことを言った。
きのわきさん、フランチャイズって文化を運ぶものじゃないでしょうか、と。
確かに、一昔前はそうであったと言えるんじゃないかな。例えば、マクドナルドやケンタッキーなんてのは、その頃の日本人にとっては、アメリカ文化の香り漂う食べ物だったし、ダスキンのお掃除サービスは、掃除を人に頼むなんて、なんて格好いいんだろうって、多くの日本人が無邪気な反射をしたもんだよね。でも、ところ変わって、現代においてはそうなのかな。これだけ情報が発達してしまってるし、文化を運ぶほどの衝撃性をもって来日するフランチャイズはないのじゃないか。
国によってはフランチャイズは文化を壊すものだと捉えられ、フランスとかそうかな、チェーン展開には法的にかなりの抑制がかかります。
しかし、僕は、フランチャイズは固有の文化を鍛え育ててくれるものだとも思います。
なぜなら、フランチャイズは社会を効率化し、
しかしながら、これには一方の側面があり、二宮尊徳が説くように、
「道徳なき経済は罪悪であり 経済なき道徳は寝言である」
道徳無きフランチャイズは一瞬にして暴力になりうると思います。
良くも悪くもフランチャイズは貧者の最強の武器
文化に話を戻せば、例えば、インスタント食品ってあるじゃない。あれは健康の大敵みたいに取られたりするけど、カップヌードルとかすごいって思うの。ウォークマンが僕らの音楽を聴くスタイルを変えたように、それは僕らが食に向き合うスタイルを変えた、つまり文化を変えた。どちらも聴く時間や作る時間を簡便化し、僕らに利便性をもたらした。
だけど、じゃー、世の中が全部そんな簡便化しインスタント化するかっていうと、きっとそうはならない。
フランチャイズもそう。そこには文化のせめぎ合いが必ず存在する。そして物を作るものに対して信頼性が求められるように、フランチャイズにも信頼性やそれを支えるための公開性が求められる。
行きすぎたら、それは何らかの法的規制がかかるんでしょうね。
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