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ブランドこそが全て

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ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ

マクドナルド創業者と言われているレイ・クロックの半生を描いた映画です。恐らく多くの業界関係者は封切りと共に映画館に足を運んだのではないでしょうか。

見終わって、正直なところ映画としてはどうなんでしょうか。ストーリーは単調だし、演じる役者はマイケル・キートンの強引さ、身勝手さは秀逸で、創業者ってそうだよなって感じさせられるところは上手だなって思う。
だけど、そこまで。
他の役者や演技魅力に惹きつけられるところもあまりなかった。つまりは感情移入できるようなシーンはあまりないし、映像や音楽が素晴らしいわけでもない。

ハンバーガー帝国を作り上げたレイクロックの強烈なエゴと欲望を描いているんだけど、犯罪犯しているわけではないので、そこら辺の恐さもない。

一方のマクドナルド兄弟がそれとは対照的にとても人の良い人物として描かれているのだけど、本当にそうなのかなーと首をかしげたくなるほどこちらは大げさ。

ただ、このセリフは良かった。

レイクロックが勝利をおさめ、兄弟との決着がついた場面で言ったセリフ。

”マクドナルドというブランドが手に入れたかったんだ。
マクドナルドという名前が全てだ。”

兄弟は疑問だった。レイクロックにはマクドナルドのノウハウは余すところなく教えていたし、盗まれたりもしていた。それに自分たちよりレイの方がよほどビジネスはうまい。であれば、何もマクドナルドをのっとるようなことをしないでも、自分で似たようなハンバーガーチェーンを作り上げたら良いのに、なぜしなかったんだと、肩を落としながらレイに聞いていた。

その答えが、マクドナルドという名前が欲しかったんだという先のセリフ。

このシーンでは、これ以上の説明はなくって、ただ、レイクロックがマクドナルドという名前の響きの美しさを連呼するだけだった。(もしかすると、原文では何かヒントになりそうなこと言っているかも知れないが、そこまで英語強くない。)

一般的なズの概念から言ったら、先のマクドナルド兄弟の疑問は当然のように思える。フランチャイズはノウハウやブランドをひとまとめにしたものをフランチャイズパッケージというものにして、加盟希望者に販売し、チェーンを拡大していく。

レイはそれらの大半を既に手に入れていた訳だから、確かにもっと早々とマクドナルド兄弟と縁を切って、自分の道を歩めば、兄弟との間に結んだ契約書に縛られることもなく、事業を発展させることができたはず。

しかし、レイはそれをせずマクドナルド兄弟と一緒に契約に縛られながらもフランチャイズ化を進め、事業を拡大していった。

そして、やがてという価値をそこに見つけ出し、それをきっかけにマクドナルド兄弟とレイの力関係は逆転し、最終的にはわが物とする。

”ブランドこそが全て。”

とても意味が深い。フランチャイズはノウハウの塊だけど、それだけにノウハウを盗まれたとか、競業避止違反で訴えられたりとかが起きる。

だけど、ノウハウは幾らそれが革新的なものであったとしても時代と共に陳腐化していくことは免れない。そのために、は日々そのノウハウに磨きを掛けていく。

そして、考えてみると、そういったノウハウに対してブランドはいつまでたっても陳腐化していくなんてことはないのではないか。

事件や事故でブランドが毀損してしまうことはあるかも知れないが、基本的にフランチャイズの歴史と共にその価値は上がっていくもの、それがブランドだろう。

そうすると、レイ・クロックがどうしても欲しかったんだというあのセリフはフランチャイズの核心をついているのかも知れない。

 

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