2022年1月、Blogタイトルを”三智に学ぶ”から”コーラルワークにしました。” ボタン

最終学歴は、自動車学校卒業。

聴衆をたっぷり90分、笑いの渦に巻き込んだ後。この笑顔で、CoCo壱番屋を日本一のカレーチェーンに築き上げていったんだなー。

漫談風講演

昨日は、このところ続いた大型台風の影響で京都地方も結構な雨。
講演の内容を聞いたときには、満席を予想していたが、そのせいか、開演前になっても少し空席があった。
受付で、主催者に聞いたところによると、130人ほどの来場を予定しているとのことだったが、会場を見渡すと恐らく100人あまりだったろうか。

今回の講演は、「公益財団法人 京都産業21」というところが主催した「近畿プロフェッショナル人材戦略セミナー」の一環としてのものだった。
主導しているのは、内閣府 地方創生推進室だから推して知るべし的なところはある。
都市部において、功成り名なり遂げた経営者をそのままに引退させてしまうのではなく、地方で後継者に困っている企業に行ってもらい、役だってもらおう、優秀な経営者が関わることで、その結果として地方を創世していこうというものなのだろうと推測した。

式会社壱番屋(チェーン名カレーハウスCoCo壱番屋)創業者である宗次氏の講演は、そういった活動を広く知ってもらうための人集めとして使われた。
そのタイトルは、「攻めの経営 ~後継者は経営者の背中を見て育つ~」

大体において名経営者と言われる方は話が上手なものだが、氏のそれはプロの技に近い。実にソフトな語り口。
そして、壮絶な人生を自虐ネタで振り返る。
成功を鼻に掛けないが成功したことは間違い無いので、自虐であっても重みが違う。

根っから、偉ぶるのが嫌いな方なのだろう。
悲しい過去を悲しく語るのではなく、とことん明るく自虐的にお話になる。自分の出生の話をされたかと思うと、話していて、これはつまらないなと思われてると考えたら話題を直ぐに変えてしまう。
聴衆の反応を見ながら次から次へと話題を変えていっている。

最近話題の赤ちゃんポストの話とからめて、自分は元祖赤ちゃんポストだとか、最終学歴は自動車学校卒とか。よくぞそこまで自虐を…と。

関西の笑いとも違う、東京の笑いでもない。
やはり、これは名古屋の笑いであり話術なのか。

ブルームシステム(のれん分け)

この業界で、という名前を知らない人はいないだろう。もう既に会社を退いて10年以上が経つので、徐々にその名前に触れることは少なくなってきているが、CoCo壱番屋というチェーンを日本最大のカレーチェーンに育て上げ、その育て上げるための手段として採用したのがズシステムなのだから。

先日訪問したドトールも同様にフランチャイズシステムを最大限活用し、日本最大のチェーンに育て上げたわけだが、同じフランチャイズシステムでも、その内容は全く違う。

CoCo壱番屋のフランチャイズシステムは、彼らの命名によりブルームシステムと呼ばれているが、これは、分かりやすいところで言うと、長らく日本の飲食業界では行われていたのれん分けである。つまり、同チェーンへの加盟希望者をいったんは同社の社員として雇い入れ、その中から一定の条件を満たした者だけを、独立(加盟)させていくだ。フランチャイズを語るときには、ランチャイズとは何だろうという、フランチャイズの定義から始めなければならない。

その定義を始め出すと、フランチャイズの歴史と共に必ず出てくるのが、宗次氏が始めたブルームシステムなのだ。

講演の中でも触れていたが、氏は代表者引退と同時に役員で残ることもなく、その後は、2,3ヶ月に一度食事をするぐらいとのことだ。当然、同社の経営には全く口を出すことはなく、現社長の浜島氏と会って話をするのすら月に一度もないそうだ。しかし、氏が命名したこのブルームシステムは今も同社では活用され、チェーンの力強さを導き出す源になっている。かっこいい、あまりにもかっこよすぎる。普通は、地位に執着し、汲汲とするものだろう。辞めたとしても自分の手で育て上げた会社は気になり、気に掛かりするものだと思うが、カッコイイ。
フランチャイズ業界にあってはいわゆる名物社長が目白押しだ。それは、フランチャイズビジネスがピープルズビジネスと呼ばれたりするように、人との関係で発展していくビジネスだからだろう。
王将創業者の大東隆行社長、タビオ創業者の越智直正社長、そして、宗次徳二社長。皆さん、人を思いっきり愛された方々だ。

O君の感想

最後に、僕と一緒に講演を聞いていたフランチャイズディビジョンメンバーの感想です。

壮絶な幼少期を生きたからこそ、他の人とは”頑張る意味”を違う次元で捉えておられる方だと。感じますね。話がうますぎて何がホンマで何が冗談か、区別しにくかったくらいです。(話がうまい人の特徴でもあるかと思いますが。)
経営とは、後継者を育てる事とは等の話でしたが、宗次さんだからこそという要素が強すぎて俗にいう一般人では思いはあっても行動に移すのは難しいでしょうね。でもとても参考になりました。ありがとうございました。

なんだか冷めた感じのO君でした。

もう引退されて久しいので、宗次氏の名前を耳にすることはあまりないのだけど、今日のニュースで久しぶりにその名前がテロップに流れてきた。
”「」20億円 CoCo壱番屋創業者が出品”
氏が「ストラディバリウス」を所有しそれを若手の有望な演奏者に貸与していたのは有名な話。いわゆる名器といわれるものに実際に触れてもらいたいという思いから所有されていたのだとか。
しかし、記事によるともう自分が所有するのではなく国際的に活用してもらいたいからというのが今回の出品理由だとか。2022/06/11追記

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コメント一覧 (1件)

  • 『置かれた場所で咲きなさい』って本があります。私たちの会社に入社を希望される方から勧められたので読みました。タイトルと作者だけは知っていましたが、どうにもそのタイトルから言わんとするところは察知しますので気が進まなかったのでした。しかし、入社を希望されている方が私に勧めてくれたのです、これは読まないわけにはいきません。で、良かったです。優しい語り口で、神にお仕えになっている方独特の慈愛に満ちた語り口です。絶対的なものを持っていらっしゃる方はたとえか弱い女性であってもかくも力強くなるものかと思わせられました。タイトルの『置かれた場所で咲きなさい』を読み違えてしまうと人によっては反発されるだろうなとも思いましたが、私は素直にそのままにそう生きてみたいものだと思いました。
    読み終えたときになぜか、こちらの宗次さんのことを思い出していました。
    なぜかっていうこともないですね、副題が英語で”Bloom where God has planted you.”直訳しちゃうと「神さまがあなたを植えたところで花を咲かせなさい。」ですね。で、このBloomが宗次さんのブルームシステムを思い出させてくれたのでした。

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