フランチャイズ 理念で分けると。

現在、わが国には1000とも2000とも言われるがあります。

業態としてもかなり多岐に渡ってきており、わが国流通業のほとんどの業種業態をカバーしているのではないかと思います。

そんな本部を見ていくと、業種業態以外にフランチャイズ本部を大きくグループ分けする基準があるなと、今日国道を走っている時に思いました。ちょうどその前に、最近フランチャイズ本部を立ち上げたばかりという本部社長と雑談めいた話をしていたからかも知れません。

本部社長、彼、Aさんとしておきます。

Aさんが運営しているチェーンはかなりユニークな業種です。日本古来の伝統産業でありながら、そこに新たな息吹を吹き込んだかのようなチェーンですから、私は初めて拝見したときに、これは伸びる!と直感しました。長年続いた業種というのは強いものです。内部に力強い生命力を抱えているからこそ、絶えずに残ってきているのです。ただ、現在の今日的な流通システムと噛み合わないために、産業として衰退しているに過ぎません。ですから、そこに創意工夫、リノベーションの力が加われば、いつでも再生できる業種なのです。そして、フランチャイズシステムはその再生を力強く後押ししてくれるシステムです。

Aさんのチェーンは資金さえうまく回転すれば5年以内に店舗数はそれほどでなくとも売上的にはかなりの売上に達する本部になるのではないかと直感しました。

しかし、実際はそれほど伸びませんでした。

話をお聞きしていてその理由が何となく分かりました。Aさんは当初フランチャイズ展開を開始しようと思ったけれど、さて、いったいどこから始めていいものやら見当がつかず、あるフランチャイズ専門のコンサルタント会社を訪ねたのだそうです。そしてそこで話を聞きご自分の業態に対する自信もつき、その先生からレクチャーも受け、資料の提供も受け、フランチャイズ展開を開始されました。

そのレクチャーの中で、コンサルの先生が口を酸っぱくして説いたのが、加盟店同士を密な関係にしてはいけない、だったそうです。加盟店同士が友好な関係になり、気軽に連絡を取り合ったりすると、やがて圧力団体になってしまい、本部の意向に反対の立場を取るようになったりする。そうするとチェーンとして運営できなくなるので、なるだけ加盟店同士を仲良くさせてはいけない、だったそうです。

Aさんは、おおむね、そちらのコンサルの先生で受けたセミナーには満足されていたようですが、ただこの一点だけは疑問に思われていたようです。というのもAさんは、フランチャイズ展開することで多くの仲間を募り、そのことで失われつつある日本文化を再興しようと考えていたからです。つまりAさんがほっしていたのは加盟店ではなく、仲間だったのです。ですから、当然情報は共有し合い同じ理念の元で展開しようと考えていたのです。

これは大きな問題です。

フランチャイズにおいて本部と加盟店は同じチェーンに属した運命共同体となります。これは業種に関わらず、規模の大小に関わらずかならずそうなります。なぜなら、両者の第一の目的はそこで利潤を上げることだからです。ですから、この運命共同体で良しとするチェーンが大半です。利潤が上がればそれでいいのだという考えです。加盟する側も、フランチャイズへの加盟をや債権の購入と同じと考えます。

別のところでも書きましたが、英語ではフランチャイズに加盟することを、Buyingという言葉を使って、フランチャイズ権を購入するという表現をすることがよく見られますが、それが、これに当たるのでしょう。もちろん~become a として、日本語の加盟に近いニュアンスもありますが、やはり米国型は投資というイメージが強く感じられます。

Aさんのように新たに本部を立ち上げられようとしている方は、どこまで理念を共有する本部を作りたいのか、強く意識する必要があります。

一方、フランチャイズに加盟しようと考えている方も、この本部はどういった理念でチェーンを運営しようとしているのか、強く意識する必要があります。

フランチャイズ契約書やパンフレットには現れない部分ですが、それだけに重要な部分であると思います。

その後のAさんは、結論から言いますと、そんなこんなで、フランチャイズ展開を進めてきたわけですが、フランチャイズの学習を進めるにつれて、自分の本部では加盟店と理念の共有ができてないとうまくいかないという考えに至り、積極的に加盟店と意見交換をし、加盟店同士の横のつながりも進めた結果、徐々に売上も増えていったとのことです。

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