お湯ならあります。

或る中華屋さんに入りました。

お昼の定食を頼みました。

運ばれて来て、おいしくいただきました。

中華はやはり脂っこいのでお茶がほしくなります。

目の前にはお水はあったのですが、お茶はありません。

メニューにもお茶がありません。

多分、用意されてないんだろうなとは思いました。

だけど、この状況でお茶って頼むとどうなるんだろうと、何となく確かめたい気持ちになって、ウェイトレスの方をお呼びし、

お茶はないですか、と頼んでみました。

彼女は、ちょっと、いやかなり戸惑っていました。

お茶ぐらいで戸惑うかと思いますが、やはり戸惑っていました。

返事が返ってくるまでの間がそれを表していました。

そして、意を決したように、私の目を見つめながら、

お茶はありません。

お茶はありませんけど、お湯ならあります、と答えました。

彼女は、こういった飲食店にありがちな外国の方ではありません。日本人、25,6歳くらいだと思います。

お茶をほしいと言った客に、お湯ならありますと答えた彼女は、彼女なりに一生懸命考えたのだと思います。

熱い、という点で類似点は確かにあります。

だけど、代替にはならないです。

百歩譲って、コーヒーならありますは、まだ言えるかも知れません。

だけど、お湯は…。

「お湯ならあります」。不思議です。

 

 

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