お前のときめきからわしの胴体ができた、お前のため息からわしの手足ができた、お前の願いからわしの心臓ができた。

毎年終戦おとったんありがとありました。近くになると、映画でもテレビでも舞台でも先の戦争を扱ったテーマが多くなる。

映画「父と暮らせば」原作、井上ひさし。

舞台作品が映画化されると大抵どこかに違和感があるし、舞台をどこかで越えられないと、前提として思ってしまう。
Eテレの舞台中継がそう。面白くない。いくら何台のカメラを使おうが舞台を映像化してもちっとも面白くない。だけど、この作品に限っていうと違うなー。
舞台を見てから、映画を観ても良いんじゃないかな。
多分、それは僕が舞台よりも映画の方が好きだからだけど、
原田芳雄と宮沢りえの演技、長回しのセリフや方言の美しさ、豊穣さ、舞台装置を越えたカメラワーク。
「お前のときめきからわしの胴体ができた、お前のため息からわしの手足ができた、お前の願いからわしの心臓ができた。」いかにも舞台上で、俳優の演技によってのみ感動できそうな台詞だけど、この映画に限って言うと違う。
舞台上の演技とスクリーン上でしかできない演出がうまい具合にかみ合った名作だと思いました。

ラストシーン。

「おとったん、ありがとありました。」

きれいな、余韻のある、今までの時間を全て語り尽くす日本一のありがとうというセリフ。

作家の井上ひさしが亡くなってもう5年が経つんだね。良い作品残してくれて、見せてくれて、「ひさしさん、ありがとありました。」

 

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